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特別演奏講座レポート

早期才能開花プロジェクト
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早期才能開花プロジェクトのエグゼクティブアドバイザー・横山幸雄氏による「特別演奏講座」は、このプロジェクトがスタートした2019年度より、年8回のスケジュールで実施されています。この講座では、指使いやアーティキュレーションなどの細かな要素を多角的に考察しながら、1つの作品を丁寧に紐解いていきます。アシスタントの豊田萌講師によるレポートをご覧ください。

4月15日(木)

◆ジュニアⅡ
このクラスには小学校4~6年生の生徒が在籍しています。今回の課題は、ハイドンのピアノソナタ第12番 Hob.XVI:12 イ長調の第1楽章。穏やかで美しい旋律が魅力的なこの第1楽章を、より素敵に仕上げるために、片手ずつ確認しながらレッスンは進んでいきました。 まずは右手のメロディーについて。レガートに歌うために、「長く伸ばした先の音が飛び出ないように」「手首を柔軟に使って重みをかける/抜く」といったアドバイスがされました。また、アーティキュレーションをどのように考えるかについても言及がされました。楽譜にアーティキュレーションの記載がない以上、どのような解釈もできるけれど、冒頭のAndanteの表記や旋律的であること、また実際に声に出して歌うときにどのように歌うかなど、多角的に考えながら、最も適したアーティキュレーションを選択するべき、とのこと。そのほかトリルや指使い、左手の和音のバランスや伸ばす長さなど細かな部分を丁寧に確認していきます。横山先生の、各生徒さんのレベルや状態に合わせたアドバイスにより、どんどん素敵な演奏に変化していきました。

◆エリート
このクラスには中学校~高校生までの生徒が在籍しています。今回の課題はベートーヴェンのピアノソナタ 第24番「テレーゼ」 Op.78 嬰ヘ長調。レッスンに入る前に先生から「『テレーゼ』という作品を知っていた?」「バッハやショパンのエチュード、ベートーヴェンのピアノソナタを常に継続して取り組んでいくという意識はある?」などといった質問がされました。昨年度の特別演奏講座でも、ベートーヴェンは課題になっていましたが、それはなぜなのでしょうか。ベートーヴェンの作品は、彼より前の時代の作曲家の作品と比べて、楽譜に書かれている情報量が格段に増えており、特に第8番の「悲愴ソナタ」以降、そこにはベートーヴェンの意思が宿るようになったといいます。それは当時の慣習からは考えられなかったことだけれど、新しい形をベートーヴェンが切り拓いていったことで、作曲家の在り方や楽譜の書き方が180°変わったそうです。古典派の最盛期からロマン派の先駆けの時代を生きたベートーヴェンの作品を学ぶことは、「決められた枠の中での自由な表現」や、「確固たる安定感」を身に着けるためだと先生は仰います。そうしたことを前提に置きながらレッスンは始まりました。提示部冒頭に登場する「下行形に書かれたクレッシェンド」も、ベートーヴェンが楽譜に書き記した意思だといいます。本来下行する際はディミヌエンドすることが自然(そうした「音楽の自然さ」をバッハから学んで欲しいとも)だけれど、ベートーヴェンはあえて自然さに逆行して、クレッシェンドと指示しています。そうした意思を見落とさず表現することで、よりベートーヴェンらしい演奏に近づいていくのです。  今回は、ベートーヴェンの作品を勉強する意味やベートーヴェン自身のこと、またその時代背景など細かく先生が解説してくださり、より深く勉強する第1歩となりました。次回からはじっくり作品を見つめながら、講座が進んでいく予定です。

4月22日(木)

◆ジュニアⅡ
課題は前回同様、ハイドンのピアノソナタ第12番 Hob.XVI:12 イ長調。まずは第1楽章の復習から始まりました。前回の内容を返しながら、フレーズの最後の扱い方など、さらに細部のニュアンスも追求し、より良い演奏を目指していきます。 第2楽章では、メヌエットのリズム感についてのアドバイスがありました。1・2・3と拍を横並びにしてしまうのではなく、大きな流れの中で3拍子を感じながら、「3で浮き上がって1へ向かう」感覚を表現するようにとのこと。優雅な舞曲の雰囲気が出るように、しかしそれらはノン・レガートで表現するのは難しいので、よく注意してとお話がありました。続くトリオは、それまで朗らかなイ長調で書かれていた主部から、イ短調に転調し雰囲気も一転する場面。このキャラクターの違いをより明確に表現するために、右手冒頭に登場する八分休符の扱いをどうするかなど、細かな部分まで丁寧に整えていきました。 次回はいよいよ3楽章へ。全楽章をきちんとまとめて、「ハイドンらしい」演奏を目指していきましょう!

◆エリート
課題は前回いに引き続きベートーヴェンのピアノソナタ 第24番「テレーゼ」 Op.78 嬰ヘ長調。今回のレッスンでも、数々の質問がなされました。特に印象的だったのは、「ベートーヴェンらしさとは?」、そして「テレーゼの中にあるベートーヴェンらしさとは?」という質問でした。今回の課題であるテレーゼは、「運命」や「悲愴ソナタ」といった、ベートーヴェンの名前を聞いて誰しも連想するようなドラマティックな曲とは少し違った雰囲気の曲です。ですが、ベートーヴェンらしさというのは存在するはず。ここで、前回のお話にもあった、楽譜に書き込まれたベートーヴェンの「意思」について再度先生からお話がありました。テレーゼの中にも、例えば「クレッシェンドした先の急なピアノ」などといった強弱記号が書き込まれており、これはまさしくベートーヴェンらしさだと先生は仰います。テレーゼのような「一見優しそうな」作品にも、こうしたエッセンスはふんだんに盛り込まれており、そうした「らしさ」をきちんと把握できていると、どんな曲でもブレずに仕上げることができると先生は仰いました。そうしたお話のあと、実際のレッスンにうつり、今回は第1楽章全体を見ていきました。前奏と提示部を統一されたテンポで弾くには?雰囲気にあった音色をつくるための打鍵の方法は?…など、より美しく仕上げるためのポイントを、書く生徒の癖を見極めながら的確に指摘していきます。またピアニストとしての視点で、技術的な面でより演奏しやすくなるためのコツを教えてくださる場面も。最後は、先生の演奏を聴きながら、今回受けた注意すべきポイントを全員で確認しました。  昨年末にベートーヴェンのピアノソナタ全曲演奏会を開催された先生。今回のレッスンも、非常に白熱したものとなりました!次回は第2楽章に進みます。第1楽章とはまったく違ったキャラクターの楽章をどのように仕上げていくか、とても楽しみです

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